サイナスリフトとは?
サイナスリフトは、骨が不足している部位に人工骨を追加する手術です。インプラント治療を行うためには、十分な骨の高さと幅が必要です。しかし、長年の歯の欠損や歯周病の影響で、上顎の骨が痩せてしまっていることが多くあります。サイナスリフトは、上顎の副鼻腔(サイナス)の底部にアクセスし、骨補填材(人工骨)を用いて骨の再生を促す手術です。この治療により、インプラントを支えるための安定した骨基盤を作ることができます。
手術は局所麻酔で行われ、痛みを感じることなく治療を受けることができます。手術後は数ヶ月の回復期間が必要ですが、インプラントを埋め込むための十分な骨量を確保することができます。
サイナスリフトが必要になるケースとは?
サイナスリフトが必要となる主なケースは以下の通りです。
歯の欠損による骨の喪失
歯が長期間にわたって抜けていた場合、その部分の骨は痩せてしまいます。サイナスリフトを行うことで、骨量を補充し、インプラント治療を可能にします。
歯周病による骨吸収
歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けてしまい、インプラント治療に必要な骨量が不足します。サイナスリフトによって、この骨の不足を補うことができます。
上顎の骨量が少ない
上顎の後方部分はもともと骨量が少ない場合があります。特に、上顎の副鼻腔が広い場合、骨の幅や高さが足りないことがあります。サイナスリフトを使って、骨補填材を加えることでインプラントを支えることができます。
ソケットリフトとの違い
ソケットリフトとサイナスリフトは、どちらも骨の再生を目的とした手術ですが、適用方法や手術の内容に違いがあります。以下の表で、両者の違いを簡潔にまとめました。
| サイナスリフト | ソケットリフト | |
|---|---|---|
| 必要な骨の厚み | 4〜5mm以下 | 5〜7mm程度 |
| 失っている歯の範囲 | 広範囲にわたる場合 | 限られた範囲での治療 |
| 手術方法 | 側方アプローチ | 垂直アプローチ |
| 治療費用 | 約10万〜30万円程度 | 約3万〜10万円程度 |
| 治療期間 | 約6〜9ヶ月 | 約3〜5ヶ月 |
| 難易度 | 比較的高い | 比較的低い |
サイナスリフトは主に上顎の後方部分に骨が足りない場合に行われ、副鼻腔の粘膜を挙げて骨補填材を注入します。一方、ソケットリフトは抜歯後の歯槽部に直接骨補填材を注入する方法で、治療範囲がやや狭いですが、回復が早くなる場合があります。
サイナスリフトのメリット・デメリット
サイナスリフトは、インプラント治療に必要な骨を確保するための有効な手術方法ですが、メリットとデメリットがあります。どちらも治療を選ぶ際に重要な要素となるため、しっかりと理解しておくことが大切です。
サイナスリフトのメリット
インプラント治療が可能になる
サイナスリフトの最大のメリットは、インプラント治療が可能になることです。骨が不足している場合でも、骨補填材を使って骨を再生することで、インプラント治療を受けることができます。これにより、長期間歯を失ったままの状態を避け、健康で美しい口元を取り戻すことができます。
長期的な安定性
サイナスリフトで補填された骨は、時間とともに骨が定着し、インプラントが長期的に安定します。これにより、インプラントがしっかりと固定され、食事や会話など日常生活において不便を感じることがなくなります。
見た目と機能の回復
インプラントを使用することで、見た目が自然に回復するだけでなく、歯の機能も回復します。噛み合わせが改善され、食事の際に不自由なく食べられるようになります。
サイナスリフトのデメリット
手術に伴うリスク
サイナスリフトは外科的手術であるため、一定のリスクを伴います。特に、手術中に副鼻腔に傷がつく可能性や、感染症が起こることがあります。また、手術後には腫れや痛みを感じることがあるため、術後のケアが重要です。
回復期間が長い
サイナスリフトは、手術後に一定の回復期間が必要です。骨補填材が定着するまでに数ヶ月かかるため、インプラント治療を行うためには、時間がかかることを理解しておく必要があります。治療開始からインプラントを埋め込むまで、半年〜1年程度の期間が必要となる場合もあります。
高額な費用
サイナスリフトは、自費治療であるため、費用が高額になります。治療費の相場は、10万円〜30万円程度ですが、医院によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。また、インプラント治療とセットで行う場合は、総額で50万円〜80万円程度かかることもあります。
骨吸収のリスク
まれに、骨補填材が適切に定着せず、骨吸収が起こることがあります。この場合、再手術が必要になることがあります。術後の定期的なフォローアップとケアを怠らず行うことで、リスクを最小限に抑えることができます。
サイナスリフトの費用
サイナスリフトはインプラント治療を行うために骨を補う手術であり、他の歯科治療に比べて高額になることが一般的です。費用は、治療を行う医院や地域によって異なりますが、当院では、1歯あたり 110,000円~165,000円で行っております。
サイナスリフトの手術の流れ
サイナスリフトは、以下のステップで進めていきます。
事前検査
サイナスリフトを行う前には、事前の検査が必要です。この段階では、以下のような検査を行います。
CTスキャン: 上顎の骨の状態や副鼻腔の状態を確認するため、CTスキャンを行い、サイナスリフトが適応できるかどうかを判断します。
血液検査: 健康状態を確認するために、感染症の有無や血液凝固の状態をチェックします。
口腔内検査: 歯や歯茎の状態を確認し、サイナスリフトを行う場所に問題がないかを診断します。
これらの検査結果をもとに、最適な治療計画を立てます。
局所麻酔
サイナスリフトは、局所麻酔を使って行います。手術中は痛みを感じることなく、リラックスした状態で治療を受けることができます。麻酔が効いている間は、手術部位のみが麻痺しており、全身の意識は保たれたままです。
骨に窓を開けて上顎洞粘膜の挙上
手術の中で最も重要な部分は、骨に窓を開けて上顎洞粘膜を挙げることです。具体的な流れは以下の通りです。
歯茎の切開: 上顎の後方にある歯茎を少し切開し、骨にアクセスできるようにします。
骨に小さな窓を開ける: 上顎の骨に小さな窓を開け、そこから副鼻腔(上顎洞)の粘膜を慎重に挙げます。
上顎洞粘膜の挙上: 上顎洞の粘膜をやさしく押し上げ、インプラントを埋めるためのスペースを作ります。
骨補填材の填入と縫合
粘膜を挙げた後、骨補填材(人工骨)を所定のスペースに慎重に注入します。この補填材は、上顎洞の粘膜の下に設置され、インプラントのための骨基盤を形成します。手術が完了したら、縫合を行い、切開した部分を閉じます。
骨が足りない場合でも、骨造成手術によりインプラント治療が可能に!
サイナスリフトは、インプラント治療を行うために必要な骨量が不足している場合でも、骨造成手術により治療を可能にする重要な手術です。この手術によって、長期間歯を失っていた場合でも、骨量が補充され、インプラントを安全に埋め込むことができます。
歯の欠損やインプラント治療を検討している場合は、千葉市若葉区の歯医者「スマイル歯科」へご相談ください。
当院では無料カウンセリングを実施しております。サイナスリフトについての詳細や、インプラント治療の適応についてさらに知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。